不動産取引で損をしないために!避けるべき不誠実な商習慣とその対策

不動産業界で横行する「不誠実な商習慣」に国がメス、それでも解決には程遠いワケ

 

不動産業界における「不誠実な商習慣」とは、顧客や取引相手の利益よりも企業の利益を
優先するような手法や、不透明な取引、消費者が損を被るような契約を指します。


政府がこれに対策を講じる背景には、消費者からの苦情やトラブルの増加がありますが、
業界全体の慣習や構造的な問題により、解決が容易ではありません。


1. 不誠実な商習慣の例


説明不足や誤解を招く情報提供:物件の状況や契約内容の重要な情報を説明しない、
または曖昧な説明により顧客に誤解を与えるケースです。


例えば、管理費や修繕積立金の増額リスクについての説明が不十分であることがあります。


高額な手数料や不明瞭な費用:仲介手数料や解約手数料が適切でない、または不透明な
費用が発生する場合があり、消費者が支払うべき費用が過剰になることがあります。


不動産価値の誤った評価:

物件の価値を実際よりも高く提示し、顧客が市場価値以上の価格で
物件を購入するよう誘導するケースも見られます。


2. 政府の対策


規制の強化:国土交通省は、不動産業者に対し説明義務の徹底や、
顧客に対する透明性の向上を求める指導を行っています。

また、違反が見つかった場合の罰則強化も図られています。


情報開示の拡充:

物件の詳細な情報を公表し、消費者が物件や業者に関する信頼できる
データにアクセスできるようにする動きが進んでいます。

仲介業務の監視強化:

業界の仲介行為に対する定期的な監査や、悪質業者の排除を目的とした
監視機関の設置なども検討されています


3. 解決が難しい理由


業界の根深い慣習:不誠実な商習慣が業界の「暗黙のルール」として
浸透しており、現状を変えるためには業界全体の意識改革が必要です。

 

複雑な契約構造:不動産取引は法律や契約内容が複雑であるため、
消費者が契約内容を十分理解しないまま署名することが多く、
トラブルの原因となっています。


利益優先の文化:不動産業界は売り上げや利益を優先する傾向が強く、
顧客の利益や透明性よりも売上を重視する構造が根強く残っています。


4. 消費者にできること

信頼できる不動産会社を選ぶ:口コミや評判を確認し、透明性のある会社と取引することが重要です。

契約内容を精査する:弁護士や専門家に相談し、契約内容を
十分理解してから署名することがリスク軽減につながります。

 

不誠実な商習慣を根絶するためには、法規制の強化だけでなく、
業界全体の意識改革や消費者の知識向上が必要です。

 

不透明な売却プロセスの慣習が


売り主の不利益につながっている


皆さんは、不動産業界において長きにわたって慣習化していた
「囲い込み」という言葉をご存じだろうか。


例えば、あなたが売り主として「家を売却したい」と考え、
不動産会社に仲介を依頼したとする。


当然、売り主である自分に利があるように売却活動を進めてくれるはず、と思うだろう。


ところが実際は、必ずしもそうはならない。他の不動産会社から紹介された
買い主への物件紹介を「故意」に断ったり、他の不動産会社に物件情報を
提供しなかったりと、「情報の独占」、つまり、物件の囲い込みが行われているのである。


ダイレクトに紹介を断る行為はもちろんのこと、買い主側の不動産会社からの
問い合わせに対して「鍵の受け渡しの時間が取れない」「内見のスケジューリングが難しい」
などの一見もっともらしい理由をつけ、購入意欲をそぐような形で「囲い込み」を行う悪質な
不動産会社も存在する。


近年、その手法はより複雑かつ巧妙になってきている。

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