Ⅰ. 介護用品レンタルとは?|購入より「借りる」が賢い理由

介護用品レンタルとは、高齢者の在宅生活を支えるための用具を、必要な期間だけ借りて利用できるサービスです。購入と違い、身体状況や介護度の変化に柔軟に対応できるのが大きなメリットです。

レンタルが向いている主な介護用品

  • 介護ベッド(電動・手動)
  • 車いす・歩行器・杖
  • 手すり・スロープ・昇降機
  • 床ずれ防止マット・体位変換器
  • 認知症対応用具(センサー・見守り機器)

特に、要介護1以上の方は、介護保険を利用することで費用の9割が補助されます。購入よりも初期費用を抑えられ、定期的なメンテナンスや交換もサービスに含まれる点が魅力です。

Ⅱ. 介護保険が使える介護用品レンタルの条件

介護用品レンタルでは、「介護保険制度」に基づき、要支援・要介護認定を受けた方が対象となります。レンタル対象品目は厚生労働省が定めており、認定区分に応じて利用可能な範囲が異なります。

介護保険が適用される13品目(2025年版)

  1. 車いす・車いす付属品
  2. 特殊寝台(電動ベッド)・付属品
  3. 床ずれ防止用具
  4. 体位変換器
  5. 手すり
  6. スロープ
  7. 歩行器・歩行補助つえ
  8. 認知症老人徘徊感知機器
  9. 移動用リフト
  10. 自動排泄処理装置

申請はケアマネジャーを通じて行い、福祉用具専門相談員が利用者の身体状況を確認した上で選定を行います。市区町村の指定事業者以外からのレンタルは、介護保険の対象外となるため注意が必要です。

Ⅲ. 失敗しない介護用品レンタルの選び方

介護用品は「安全性」「操作性」「設置環境」によって選定する必要があります。単に安いだけで選ぶと、事故や不便を招くリスクがあります。

選定時にチェックすべき5つのポイント

  • ① 使用者の身体状況と介護度に合っているか
  • ② 設置スペース・住宅環境に適しているか
  • ③ メンテナンス・修理対応が迅速か
  • ④ 事前試用やデモンストレーションが可能か
  • ⑤ 契約内容(期間・更新・解約)が明確か

特に電動ベッドやリフトは、体格や介助動線によって使いやすさが大きく異なります。専門スタッフと実際に操作を確認することが、失敗を防ぐ最大のポイントです。

Ⅳ. 介護用品レンタルの費用相場と補助金

介護保険を利用した場合、利用者負担は原則1割(所得により2〜3割)です。以下は主要用品の月額レンタル費用の目安です。

用品名レンタル費用(自己負担1割時)
介護ベッド(電動)約800〜1,200円/月
車いす約500〜1,000円/月
歩行器・手すり約300〜800円/月
マットレス・体位変換器約400〜900円/月

介護保険が適用されない場合でも、市区町村の独自助成制度が利用できる場合があります。地域包括支援センターに相談し、補助制度を最大限活用しましょう。

Ⅴ. 介護用品レンタル業者の選び方と比較

レンタル業者は「介護保険指定事業者」であることが最低条件です。さらに以下の基準で比較しましょう。

  • ① 対応スピード:急な退院・在宅復帰にも即日対応可能か
  • ② アフターサービス:故障時の交換・修理対応時間
  • ③ 福祉用具専門相談員:資格者が在籍し適切な選定が可能か
  • ④ 在庫の充実度:電動ベッドや認知症対応機器など幅広いか
  • ⑤ 契約の透明性:更新料や解約料が明示されているか

また、実際の利用者口コミや地域包括支援センターの評価も、信頼できる指標になります。可能であれば複数社に見積もりを依頼し、価格とサービス内容を比較しましょう。