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【2026年最新版】デイサービスを拒否する親への対処法10選|介護のプロが教える心の開き方

「デイサービスなんて行きたくない!」 「知らない人と一緒に過ごすのは嫌だ」── 親がデイサービスを拒否して困っていませんか? 実は、高齢者の多くが最初は抵抗を感じるものです。 本記事では、介護現場で1,000件以上のケースを見てきた専門家が、 心理と原因を解説しながら、今日からできる10の対処法を紹介します。

なぜ親はデイサービスを拒否するのか?

デイサービスを拒否する理由は一見「わがまま」に見えますが、 その裏には心の抵抗生活環境の変化への不安が隠れています。

  • 「知らない人と過ごすのが怖い」
  • 「自分はまだ元気だから行く必要がない」
  • 「周囲に迷惑をかけたくない」
  • 「家が一番落ち着く」

高齢者にとって、デイサービス=「自立を失う」象徴のように感じてしまうことも。 まずは拒否は自然な反応であると理解することから始めましょう。

拒否の裏にある心理と本音

高齢者がデイサービスを拒むのは、単なる頑固さではありません。 多くの場合、以下のような感情の防衛反応が働いています。

① プライドの防衛

「介護される側」になることを認めたくない。 長年家族を支えてきた人ほど、受け身になることに抵抗を感じます。

② 環境変化への不安

新しい場所・人間関係・スケジュール…。 年齢を重ねるほど、変化へのストレスが大きくなります。

③ 孤立感と誤解

「家族が自分を厄介者だと思っているのでは?」という不安が、 デイサービス=「追い出される場所」という誤解につながることも。

デイサービス拒否への対処法10選

ここでは、介護福祉士・ケアマネジャーが実際に行って効果のあった 現場発の10の方法を紹介します。

① 否定せずに「気持ちを受け止める」

「行きたくないのね」「無理に行かなくていいよ」とまず共感すること。 感情を否定せず聞き役になると、心の壁が少しずつ薄くなります。

② 「お試し1日体験」に誘う

いきなり利用契約を結ぶのではなく、1日だけ体験してもらいましょう。 実際に行ってみると「思っていたより楽しかった」と感じる人が多いです。

③ 「リハビリ」「食事」「入浴」など目的を明確に伝える

「リハビリのため」「お風呂がゆっくり入れるから」など、 本人が納得できる理由をつけると心理的ハードルが下がります。

④ ケアマネジャーから説明してもらう

家族が説得しても反発しがちですが、第三者(専門職)の説明だと納得しやすくなります。 ケアマネやデイ職員の「中立な立場」が効果的。

⑤ 仲の良い友人や近所の人を巻き込む

「〇〇さんも通ってるみたいよ」と伝えるだけで、心理的な抵抗が和らぐことがあります。 人は「仲間意識」で行動が変わります。

⑥ スタッフ紹介や施設見学を一緒に行う

実際に施設の雰囲気を見て、「怖い場所ではない」と理解してもらうことが大切です。 家族と同行すると安心感が高まります。

⑦ 初日は短時間利用からスタート

いきなり1日フルではなく、午前のみ・午後のみの短時間利用から始めると抵抗が減ります。

⑧ 「行かない日」を残しておく

「週2回だけ」「午前だけ」といった選択肢を残すことで、 「自由が奪われる」という不安を軽減できます。

⑨ 家族が感謝を伝える

「行ってくれて助かった」「安心できたよ」など、利用後に感謝を伝えることで、 本人の自己肯定感が高まり、継続につながります。

⑩ 職員との信頼関係を築く

担当スタッフと顔を合わせて話すことで、本人も「ここなら大丈夫」と安心します。 人間関係の安心が最大の動機になります。

声かけ・説得のコツ

声かけの仕方ひとつで、拒否が緩むことがあります。 ポイントは押さず、焦らず、共に歩む姿勢

💬 悪い例:「なんで行かないの?」「みんな行ってるのに」 💡 良い例:「気が進まないのね」「行ってみて合わなかったらやめようか」

人は自分の意思を尊重されると心を開きます。 「選ぶ自由」を残してあげることが大切です。

実際に成功した事例

ある80代男性は、「デイサービスなんて嫌だ」と拒否していましたが、 職員が趣味の将棋を話題に出したところ、徐々に興味を示し、 今では毎週3回通うようになりました。

また、90代女性は「お風呂だけ入りに行く」という理由から始め、 いつの間にか他の利用者と交流を楽しむようになった例もあります。

💡 成功の共通点: 本人の「好きなこと」「得意なこと」に焦点を当てた声かけ

ケアマネ・施設職員への相談方法

家族だけで抱え込まず、ケアマネージャー・施設職員・地域包括支援センターに相談しましょう。 専門職は拒否の理由を聞き出すプロです。

特に初回利用前は「同行支援」や「送迎見学」など、柔軟に対応してくれる事業所もあります。 無理に押しつけず、「一緒に作戦を立てる」気持ちで取り組みましょう。

まとめ|拒否は「不安の裏返し」。安心を作るのが第一歩

デイサービス拒否の背景には、「自分の居場所を失いたくない」という不安があります。 まずは否定せず寄り添い、少しずつ安心の輪を広げていくことが大切です。

家族が焦らずサポートすれば、多くの方が「行ってよかった」と笑顔を取り戻します。 今日からできる小さな一歩──それが、介護を続ける最大の力になります。

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最終更新日:2025年12月12日

監修:介護福祉士・ケアマネージャー編集チーム