
高齢者や介護を担うご家族にとって、医療費の負担は大きな悩みです。そんな時にぜひ活用してほしいのが、「医療費控除」という制度です。
年間の医療費が一定額を超えた場合、確定申告をすることで所得税や住民税が減額されます。知らないと損する制度のため、このページでは対象費用から申請手順、注意点までをやさしく説明します。
🩺 医療費控除とは?
医療費控除とは、1年間(1月~12月)に支払った医療費が一定額を超えると、その分の税金が戻ってくる制度です。医療費は本人だけでなく、生計を共にする家族全員分を合算可能です。
💡 例えば...
年間の医療費が50万円、保険などで補填された額が10万円の場合、差額40万円のうち10万円を超える部分(30万円)が控除対象になります。
- 本人だけでなく家族(配偶者・子・親など)も合算可能
- 通院交通費(バス・電車・タクシー代)も対象
- 治療のための医薬品購入も対象になる場合あり
📋 医療費控除の対象・対象外一覧
| 対象になる費用 | 対象外の費用 |
|---|---|
| 病院・歯科での診療費 | 美容目的の治療(例:審美歯科・美容整形) |
| 処方薬・市販薬(治療目的) | 健康維持目的のサプリメント |
| 通院のための交通費(公共交通機関) | マイカーでの通院ガソリン代 |
| 介護サービス利用料のうち医療系部分 | 介護保険の自己負担のうち生活援助部分 |
| 医師の指示で購入した治療器具(補聴器など) | 通常のマッサージ・整体・リラクゼーション |
🧮 控除額の計算方法
医療費控除額は、以下の計算式で求められます。
医療費控除額 = (年間医療費 - 保険金などの補填額) - 10万円
※所得が200万円未満の場合は、10万円ではなく「所得の5%」が基準になります。
例えば、年間医療費が45万円、保険金が5万円、所得が300万円の場合、
(45万円-5万円)-10万円=30万円が控除対象となります。
📝 医療費控除の申請手順と必要書類
- 1. 医療費の領収書を集める
支払った病院名・日付・金額を一覧にまとめましょう。 - 2. 「医療費控除の明細書」を作成
国税庁の「確定申告書作成コーナー」で自動作成可能。 - 3. 申告書を提出
税務署に提出、またはe-Taxでオンライン申請。 - 4. 還付金の受け取り
申請から1~2か月程度で指定口座に振り込まれます。
❓ よくある質問(FAQ)
- Q1. 医療費が10万円に満たない場合は控除できませんか?
- 所得が200万円未満の場合、「所得の5%」を超えた分が控除対象になります。
- Q2. 家族の分も合算していいですか?
- はい。同じ家計で生活していれば、家族の医療費もまとめて申請可能です。
- Q3. クレジットカードで支払った場合は?
- 支払日ではなく「治療を受けた日」が基準となります。
